ニュースレターとチラシは、どちらも大切な販促ツールですが、効果の出方に違いがあります。
そのため、それぞれに適したデザインはある、と考えるのが妥当です。
陸上に例えるなら、チラシは短距離走、ニュースレターは長距離走です。
つまり、チラシは瞬発力が大事、一方、ニュースレターはペース配分が大切になってきます。
では、チラシにおける瞬発力は、なんとなくイメージできるかと思いますが、ニュースレターにおけるペース配分とは何なのでしょうか?
そこで、今回は、
- 実際のデザインを見比べ、その違いを実感していただく
- ニュースレターにおけるペース配分とは何か?知っていただく
ような記事にしたいと思います。
チラシ向きの瞬発力のあるデザインとは?
瞬発力が大切なのは、チラシだけではありません。
おそらく、様々な媒体の中で一番、デザインの瞬発力が必要なのが、インスタグラムではないでしょうか?
今回、空想カンパニーというインスタグラム用に作成したのが、こちらのデザインです。
このデザインの良しあしは別にして、まず、ニュースレター向きではない!ことがおわかりでしょうか?
- 背景のベタ塗りは、ニュースレターには不向き(コストがかかる)
- 縦書き文字は、ニュースレターには不向き(記事が書きにくくなる)
ご存じだと思いますが、インスタグラムの投稿サイズは、普通、1080×1080ピクセルです。
その中に納まるように・・・と描いているうちに、インスタグラムのバイアスに引っ張られてしまいました。
インスタのバイアス=映えることを意識、するので、どんどんニュースレターから離れて行った悪い例です。
ニュースレターのペース配分とは?
インスタグラムのバイアスに引っ張られた「助助エイド」会社のデザイン案は、ニュースレターには使えませんでした。
そこで、実際にwordでニュースレターを作成してみました。
インスタグラムとの連携をさせたかったので、文字部分はそのままにしましたが、
自分で作っておいて、微妙にダサいな~と感じております。
プロのデザイナーなら、もっとカッコよく作れるのでしょうが、ニュースレターのポイントは、
- どこから来たニュースレターなのか?わかること
- 記事を読んでもらうこと
この2つですし、何より、小さなキズ絆創膏の会社の場合は、デザインに費用をかけるメリットは少ないはずです。
また、長く愛され続けるためには、お客様の「困った」に寄り添った商品開発も必要なので、
そのためには、ニュースレターでざっくばらんなコミュニケーションも取っていきたいでしょう。
そんな状況を想像(妄想?)してみれば、「タカビー」なニュースレター(今はもう死語でしょうか?)より、手作り感満載のニュースレターの方が効果を発揮するのではないでしょうか。
ニュースレターに限らず、デザインにコストをかけるべきか?どうか?は、会社の規模ではなく、取り扱う商品自体が「ハレ」の商品か?「日常的なものか?」で決まると考えています。
たとえば、どんなに小さなお店でも「ケーキ屋」さんの場合には、ケーキのデザインはもちろんですが、お店にも、ケーキの梱包にも、スタッフの制服にも、センスの良さはとても大切です。
なぜなら、ケーキという食べ物は「ハレの日」を演出するものだからです。
一方、日常的に無意識に使われる「キズ絆創膏」の場合は、デザインよりも「使い心地」が一番、大事になります。
むしろ、デザインにお金をかけることで「キズ絆創膏」自体の値段が跳ね上がるのであれば、止めるべきでしょう。
ついでに言うと、住宅会社の場合には、考え方は2つに分かれます。
「夢のマイホーム」=「ハレ」なので、デザイン的に優れている方が良いという考え方と、
「住まい」は、「今後、何十年も日常生活を送る場」であり、「メンテナンスも必須な複雑な商品」なので、現実的な信頼感や親しみやすさが大事という考え方です。
実を言うと、住宅会社の場合にはどちらも大事ですから、両方、見せていく必要があります。
そのためには、媒体ごとに変えるとうまくいきます。
つまり、ニュースレターのペース配分は、
- 記事を最優先にする
- デザインはどこまでを狙うべきか?を職種でチェックする
- 長く継続できる実行案を立てる
という3つを、基本にして走り始めることが大切なのです。
ニュースレターとチラシ、効果の違いとデザインとの関係のまとめ
ニュースレターとチラシが違うものであることは、誰もが知っていることですが、
その効果の違いから、デザインはどうあるべきか?まで、考えている方は少ないように思います。
チラシもニュースレターも販促ツールである以上は、売上への貢献が最終目標になるのは当然ですが、
それぞれに効果が違うのですから、デザインも媒体に合ったものを選ぶべきだと思います。
ネット上では、チラシとニュースレター、ホームページなど、同じブランドだとわかるように統一しましょう!
というのが、まるで常識のように語られますが、こうした意見は、成功した大企業の実績から判断されています。
つまり、大企業になれる予感がする中小企業さんには、良いアドバイスなのでしょうが、
地域で細々と続けている零細企業にとっては、それはまるで、
「短距離が走れるのだから、長距離も走れるだろ?」と言われているのと同じで無理ゲーなのです。