最近、鉛筆で絵を描いた後に、ipadでも同じ絵を描いています。
わざわざ、そんなことをしているのは、
鉛筆とipadでは、どう自分の中の感覚が変わるのか?
それを確認するためです。
ipadで絵を描くメリット
ipadで絵を描くメリットと書いていますが、
基本的には、デジタルで絵を描くメリット・・・
として捉えてもらえばいいと思います。
とにかく、レイヤー機能が使えるソフトやアプリなら、
どれでも、同じだと思うんで。
※レイヤーについては、こちらの記事を参照してください。
真っ黒なレイヤーが使える
スケッチブックに描く時には、
- 背景が白で、
- 描くものが黒
になります。
でも、ipadなら、それを反転させることが可能です。
つまり、
- 背景が黒で
- 描くものが白
という状態です。
もっと、わかりやすく言うと、
鉛筆の場合は、影を描いていきますが、
ipadの場合は、光を描いていくわけです。
何故?反転させるの?
どのように描こうとも、描いている対象物は同じです。
だから、そこに何の意味があるのか?
不思議に思われるかもしれません。
そこで。
今回は、図地反転図形について、少し話してみたいと思います。
図地反転図形とは?
図地反転図形という言葉は知らなくても、
反転図形は見たことがあるはずです。
その中でも、一番、有名なのが、E.J.ルビンの盃と横顔でしょう。
白と黒で描いてあるこの図形は、
白の中央部に意識を向けると、盃(つぼ?)に見えるし、
黒い外側に意識を向けると、2人の人が向き合っている横顔に見えます。

これは、私が適当に描いた図です。
図と地について
反転図形については、
「あぁ、あれか~!」
と理解してもらえたと思いますが、
じゃあ、図と地は何か?というお話です。
図とは、要するに「形」のこと。
地とは、「背景」のことです。
ここで、図地反転図形が面白いのは、
盃(つぼ?)を見ている時には、盃=図で、黒い部分=背景なのに、
横顔を見ている時には、横顔=図で、白い部分=背景になる・・・という点です。
そして、普通は、
最初に、図が見えてしまったら、地はほとんど意識されないまま・・・なのです。
特に、今の私たちは、実にたくさんの情報にさらされており、
とにもかくにも、スピードばかりが求められます。
そんな状態では、
私たちは、
図(関心があるものだけ)を見て
地(無関心なもの)の存在には気づかなくなっていきます。
※ただし、ルビンの図形の場合は、何が描かれているか?すでに、知っているので、パッと見ても、両方、わかると思います。
まとめ
このことは、前回のバイアスの話とも通じることですが、
関心があるものだけを見てしまうというのは、
人が生きる上では、あまり好ましくない・・・と私は思っています。
特に、時代が大きく変わろうとしている今、
意識下に登らないものでも、見ようとするスキルは、身に着けておいても邪魔になるものではありません。
こうした絵の描き方は、「内なる画家の眼」の中で、教えてもらったことです。
その時は、鉛筆の粉を削って、消しゴムで描きました。
※実際にやってみた記事がこちらです。
ただ、アナログなやり方だと、
- 鉛筆の粉を削るのが面倒
- 消しゴムがうまく扱えない
ので、なかなか、気楽に始められません。
その点、ipadならば、
- 秒で画面を真っ黒にできる
- 白い部分は、ペンで自在に描ける
点が気に入っています。
というわけで、
最後に、星の王子さまの一言をば。
「心で見なくちゃ、ものごとは見えないってことさ。かんじんなことは、目には見えないんだよ」